おこだでませんように
みなさん、自分がこどもだったころ、よくおこられるこどもでしたか?
それとも、よくおこられる子を、横で見ていて、気を付けようって思うタイプでしたか?
褒められた記憶しかないって人もいらっしるかな。
おとうさん、おかあさんになって、自分のこどもを叱ることもあるでしょう。
おこられること、おこることって、人間なんで、あります。
今回は、ついつい、おこってしまうおとな、おこられてしまうこどもの絵本です。
七夕のことがでてくる絵本ですが、コロナで、在宅が増え、こどもも学校が休みで、
ずーっとお子様と家におられるご家庭が多いのではないかと思い、選びました。
『 おこだでませんように』
(画像:おこだでませんように | 小学館)
『 おこだでませんように』出版情報
【著者】くすのきしげのり/作 石井聖岳/絵
【初版】2008年6月27日
【出版社】小学館
【ページ数】32ページ
【定価】1500円(税抜き)
『おこだでませんように 』内容紹介
「ぼくは、いつでもおこられる。家でも学校でも…。休み時間に、友だちがなかまはずれにするからなぐったら、先生にしかられた」いつも誤解されて損ばかりしている少年が、七夕さまの短冊に書いた願いごとは…?
(引用:おこだでませんように | 小学館)
『おこだでませんように 』感想
こちら、韓国、中国、台湾でも翻訳されています。
作者のくすのきしげのりさん26年間小学校の先生をされていました。
(写真:絵本作家 くすのきしげのりさん 絵本作家インタビュー(前編)|mi:te[ミーテ])
50歳でどう生きようか考え、早期退職、作家の道を選んだそうです。
教諭時代、七夕で、こどもの短冊の願い事の一つに、「おこだでませんように」と、かかれていたそうです。
感想としては、一言でいうと、すごく複雑な気持ちになりますね。
おとなが、読んでいて、ぐっと涙するような絵本かなと思います。
途中、いろいろこみあげて、読めなくなる方もいらっしゃるでしょう。
実際に、おこられたこどもが、この絵本を見て、共感するのでしょうか。
そのときのこどもの環境や親との関係にもよると思いますね。
こどもは絵本を見て、自分の事のようにとらえることもあれば、
もがたりとして、たんたんと、とらえる場合もあります。
わたしの息子は幼稚園ころ、そんなに怒られる子ではありませんでした。(内弁慶タイプ)
なので、「おこられるが、おこだでるになってる!」とか「せんせいなんでないてるん」とか。
自分ごとには、とらえていないようでした。
わたし自身も、強い自戒の念を抱いいていないのか、といわれると、少しはあるかな、という程度です。
ただ、今回、ずっと家にいて、子どもにイライラしているとき読んだら、
また少し、ぐっとくるものがあるなと思いました。
くすのきさん(作者)は、読者の心に窓を開けるような「物語る力」が大事で
どんな景色が見えるかは、人それぞれちがっていて、
子どもには子どもの景色が、大人には大人の景色が見える、と、言われてます。
そうですね。読み手と、聞き手、思いは違っていて当然なんです。
そんなすてきなくすのきさんの文章をささえているのが、力強い絵です。
絵をご担当の いしいきよたかさんです。
(写真:絵本作家 石井聖岳さん 絵本作家インタビュー(前編)|mi:te[ミーテ])
くすのきさんの文章のおもいが強いので、絵は気持ちを抑えているそうです。
それでも、絵から伝わるものが多いのは、さすがです。
絵本は好きなように読んでもらえたらいいと、おっしゃっています。
わたしは、個人的にですが、ついついガミガミおこってしまうおとなが、こどもに、というより、
自分の心を落ち着かせるために読んでもらいたい絵本かなと思います。
今年の七夕はきっと、家族みんな健康でいられますようにとか、
そんな素朴な願いが増えるんではないかなと、思います。
『 おこだでませんように』おすすめ年齢
5歳くらいから
『 おこだでませんように』読むのにかかる時間
3分半くらい
生徒がモデルになった絵本はこちら。
3人組は一番はじめにクラス担当した時の生徒だそう。
こちらはボランティアを題材にした絵本となっています。