はははのはなし
昔は嫌がったけど、今なら自分から気が向いてペラペラめくる絵本ってありませんか?
おとなだってありますよね。
絵本以外にも、昔嫌いだった食べ物が好きになるとか。嗜好って変わることありますよね。
この『はははのはなし』で、虫歯になって、歯が黒い男の子が出てくるんです。うちの息子は3歳くらいの時、怖がって全く見なかったんですね。
こういう科学絵本と言われるジャンルは、おとなでも意外と知らないような内容が、簡単に分かりやすく書かれています。
息子は、年長になり、自分の乳歯が抜けはじめたもんで、中学生がエッチな雑誌みているかのごとく、1人、コソコソ、この絵本で歯の本数を数えている姿を発見しました。
『はははのはなし』
(出典:はははのはなし|福音館書店)
明日、息子の歯医者を予約しています。はじめて行く歯医者なので、今からものすごく嫌がってます。なので、行く前に読んでみることにしました。
『はははのはなし』出版情報
【著者】かこさとし
【初版】1972年3月31日
【出版社】福音館書店
【ページ数】24ページ
【定価】900円(税抜き)
『はははのはなし』内容紹介
歯が痛くなると、大人だって泣いてしまいます。そんなに痛いなら、いっそ歯なんかなければいい?いえいえ、歯がなければごちそうだって食べられません。歯がごちそうをかみきり、すりつぶして、体の中に送ることで、栄養がとれるのです。じゃあどうして虫歯になるのでしょう。虫歯にならないためにはどうしたらいいのでしょう。歯の役割、虫歯になるメカニズムや歯みがきの大切さを、子どもたちにわかりやすく伝えます。
(引用:はははのはなし|福音館書店)
『はははのはなし』感想
「ははは はっはっはっはっは あはは はっはっはっはっは」みんなの笑い声からお話がはじまります。歯の話ってつい真剣な感じになりがちなんですが、「歯」と「は 」をかけあわせて楽しい雰囲気をつくり、緊張がほぐれます。
そして、一気に息子が昔怖がった、歯医者での虫歯のシーン。虫歯は怖いよってことが、絵でちゃんと伝わっているってことですよね。それって、大事なことです。
ここから、歯が食べ物をすりつぶす説明。
そしてさらの「歯と歯の間に、食べ物の残りかすがたまる⇒そこに、ばい菌が増える⇒ばい菌が、歯をとかす酸をつくる⇒酸で歯がとけ、穴があき、虫歯になる」というプロセスの説明。
おとなでも、ははぁん、となります。
また、歯は栄養でつくられるので、バランスのよい食事、太陽にあびて遊ぶことの大切さがかかれてます。
(画像:はははのはなし|福音館書店)
おとなのは歯が32本、こどもの歯が20本あるって、知ってました?手や足の指と違い、見えにくい口の中って何本か数える機会、ないですよね。
この絵本の裏表紙(絵本の一番うしろ)には、歯の絵がかかれてて、ちゃんと分かりやすく、数えやすくなってます。
これ、うちの息子がコソコソ数えてたやつね。笑
(画像:amazonnより)
わたし、信じられないんですが、子どもの歯、乳歯ってね、どうせ抜けて生え変わるから、少しくらい虫歯になってしまってもいっかな、なんて思ってたんです。
でもね、この絵本で知りました。虫歯のあとに生えてくる歯は、まがったり、折れたりすることがあるらしいんです。無知って恐ろしい。いや、私が恐ろしいって。(笑)
絵本のいいところって、「絵」があることなんです。何、当たり前じゃん、と、つっこまないでください。いえ、つっこんで!ここ。結構ポイント。
もし、この絵本が写真で説明されていたら、きっとわたし達おとなも、目を覆いたくなると思うんです。口の中や虫歯って、みていて気持ちいいものではないですもんね。生理的になんかね。
でもね、絵なら、全然みれます。
最後に歯を、冒頭の文章のように、「は は は は は・・・ ・・・」と数えておわるところも、気分が明るくなっていいですね。
自分のお子さんには、そこの部分は自由に読んでみてください。私は今日、「は」が続くから、早口で途中から訳分からなくなって、大笑いでしたよ。
歯医者でもお子様にはこの絵本で説明したらいいのになと思います。そんな時間ないんだろうけど、待合室とかにね。
『はははのはなし』おすすめ年齢
読んであげるなら4歳
『はははのはなし』読むのにかかる時間
6分くらい
さこさとしさんといえば、やっぱり、科学絵本が有名です。
かこさとしさんの絵本で最新作はこちら。
といっても、2018年5月2日、92歳でお亡くなりになられていますので、最新であり、最後の作品です。絵は鈴木まもるさんが手がけています。
人生最後の時まで、身を削って作品を残されたことに、深く尊敬の念をいだきます。